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愛人に渡った遺産を取り戻す方法(遺留分減殺請求)

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先日、法律事務所で働く氷川ひろし(仮名、以下登場人物はすべて仮名です。)に相談が舞い込んで来ました。
友人の田中三郎さんからです。
亡くなった彼の父 鶴英さんには愛人 細木和子さんがいて、その父が愛人に財産を包括遺贈する旨の遺言をしたため、母 知世子さんほか家族には一切の遺産が残らないと嘆いています。
彼によれば、遺言書は方式に従って書かれており有効で、遺贈も愛人契約を継続するためではなく和子さんの今後の生活費に当てようとするもので、何ら公序良俗に反するものではない、とのことでした。

では、ひろしさんは友人三郎くんへどんなアドバイスをしてあげられるでしょうか?

愛人に渡った遺産を取り戻す方法(遺留分減殺請求)

1 愛人に財産を譲る遺言書の書き方とは

本件の場合は前述のとおり遺言書に瑕疵はないようですね。

しかしここではまず遺言書がどのように書かれていたのか確認してみましょう。

遺言書

遺言者 田中鶴英は次のとおり遺贈する。

1 愛知県名古屋市中区錦三丁目○番地在住の細木和子(昭和○年○月○日生)に遺言者の全財産を遺贈する。

2 付言事項

和子には何かと世話になったので、彼女の生活を保全する目的で遺贈するものである。

平成○年○月○日

遺言者 田中鶴英 印

<ポイント>

本件で、細木和子さんは鶴英さんの相続人ではありませんので、「相続」ではなく「遺贈」となります。
また、「もっぱら不倫関係を維持継続することが目的でした遺贈」は、無効となります。

初めてでも簡単30分で出来る遺言書の正しい書き方

2 愛人に渡った遺産を取り戻す方法

前述の遺言書が有効だとしても、残された相続人は、遺留分を侵害されたとして遺留分減殺請求ができる余地があります。
ここで「遺留分」とは、相続人が自分にも最低限遺産をもらう権利のことをいいます。
遺留分は、原則として法定相続分の半分です。
ただし、直系卑属のみが相続人の場合に限り1/3となります。

 相続人が配偶者と子ども それぞれ1/4
  相続人が配偶者のみ   1/2
  相続人が子どものみ   1/2

*なお、兄弟姉妹には遺留分がないことは要注意です。

3 遺留分減殺請求の方法

1 まずは、遺言書で財産を相続した者(受遺者または受贈者など侵害している相手方)に対し、「配達証明付きの内容証明書」を郵送します。
後日裁判になった時点での証拠ともなり得ます。

2 次に、遺留分減殺請求の意思表示を示した内容証明書が相手に届いた時点で、遺言書の内容は効果をなくすため、遺留分の権利が発生します。

3 その後、話し合いになります。
 内容証明を出したにも関わらず相手が応じなければ、家庭裁判所に家事調停を申し立てることになります。
 家事調停も不成立となれば、地方裁判所に民事訴訟を起こすことになります。

4 遺留分減殺請求のポイント

遺留分減殺請求には期限があります。
減殺請求は、遺留分権利者が「相続の開始を知り、被相続人の財産の贈与又は遺贈があった事実を知ったことに加え、その贈与又は遺贈が遺留分を侵害していることを知った時から1年以内 に」しなければなりません。
また、相続の開始の時から 10年 を経過したときに消滅してしまいます。

遺贈だけでなく、死亡前1年間に贈与を受けた人に対しては、特別の条件を満たさなくても遺留分の請求ができます。
1年以上前に贈与を受けた人に対しても、遺留分を侵害することを知りながら、贈与を受けていた場合には、遺留分の請求ができます。
このように遺言がない場合でも、遺留分の請求ができる場合があります。

本件で、ひろしさんは三郎さんに遺留分減殺請求のアドバイスをし内容証明を送付したことで和子さんと和解し、それぞれ1/4ずつの遺産を取り戻すことが出来ました。

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